結論から。自宅のプリンタで数部作るなら、Wordの「本(縦方向に谷折り)」の設定と、短辺綴じの両面印刷で作れます。印刷会社に頼むなら「本」の設定は使わず、仕上がりサイズの単ページで1ページ目から順番に作るのが正解です。この記事では両方の手順を解説します。
「Wordで文集を作りたい」「マニュアルを冊子にしたい」——冊子の原稿づくりで、いちばん身近なソフトはやはりWordです。ただしWordの冊子づくりには、知らないとやり直しになる分かれ道がひとつあります。それが「どこで印刷するか」です。自宅で印刷するか、印刷会社に頼むかで、Wordの設定が変わります。
まず分かれ道:自宅で印刷するか、印刷会社に頼むか
Wordのページ設定には「印刷の形式:本(縦方向に谷折り)」という冊子用の機能があります。これは自宅のプリンタで印刷して自分で二つ折りにするためのもので、ページを自動で並べ替えた(面付けした)状態で出力されます。
一方、印刷会社ではページの並べ替えを印刷側の専用工程で行います。面付け済みのデータをいただくと、いったんバラして組み直すことになり、かえってミスや手戻りの原因になるのです。
自宅のプリンタでWordを冊子に印刷する方法
手順はWindows版のWordのものです。A4の用紙に印刷して二つ折りにすると、A5の冊子ができます。冊子の大きさは、使う用紙の半分です。Wordがページの並び順を自動で整えてくれるので、面付け(ページの並べ替え)を自分で考える必要はありません。原稿を書き始める前に設定しておくと、レイアウトが崩れにくくなります。
| プリンタに入れる用紙 | できる冊子 |
|---|---|
| A4 | A5 |
| B4 | B5 |
| A3 | A4 |
1. ページ設定を「本」にする
- [レイアウト]→[余白]→[ユーザー設定の余白]を開きます。
- [余白]タブの「印刷の形式」(Wordの版によっては「複数ページ」)を「本(縦方向に谷折り)」にします(版によっては「ブック フォルダー」などの表示です)。用紙の向きは自動で横向きに変わります。
- 「とじしろ」を少し広げます。折り目の側に余裕ができて、綴じた後も読みやすくなります。
- [用紙]タブで、プリンタに入れる用紙のサイズ(A5の冊子ならA4)を選び、[OK]を押します。
すでに本文がある文書でも文章は自動で整います。ただし、写真や表は位置がずれることがあるので、手で直してください。
2. 両面印刷は「短辺を綴じる」にする
- [ファイル]→[印刷]を開きます。
- [片面印刷]を[両面印刷]に変え、「短辺を綴じる」を選びます。長辺を選ぶと、裏面が上下逆さまに印刷されます。
- 両面印刷ができないプリンタでは、「手動で両面印刷」を選びます(Wordの版によって表示が少し違います)。片面が刷れたら、画面とプリンタの案内に従って用紙を入れ直してください。
3. 重ねて二つ折りにし、折り目を留める
印刷した紙を順番のまま重ねて半分に折り、折り目をホッチキスで留めます。折り目まで届く中綴じ用のホッチキスがあると便利です。ページ数が多いと分厚くて折りにくくなります。そのときは「1冊あたりのページ数」(版によっては「ブックレットあたりのシート数」)で、いくつかの小さな冊子に分けて印刷することもできます。
先に2枚だけ試し刷りを。紙1枚で4ページ分なので、ページ数が4の倍数でないと白いページが入ります。縦書きの文集など右綴じの冊子は、折り方の設定で開く向きが変わることがあります。全部を刷る前に2枚だけ印刷して、折ってみて確かめると安心です。
印刷会社に頼むときのWord冊子の作り方
部数が多いとき、きれいに製本したいときは印刷会社の出番です。このときは上の「本」の設定は使いません。次の4つの手順で作ってください。
手順1:用紙サイズは「仕上がりサイズそのもの」に設定する
A5サイズの冊子を作るなら、Wordの用紙設定もA5にします。「A4で作って縮小印刷」はぼやけ・文字化けのもとです。レイアウト(ページ設定)から次のとおり設定してください。
| 設定項目 | 設定値 |
|---|---|
| 用紙サイズ | 仕上がりサイズ(A5冊子ならA5、B5冊子ならB5) |
| 印刷の形式 | 「標準」のまま(「本」にしない) |
| 余白 | 上下左右15mm以上を目安に。綴じ側は+5mm足すと読みやすい |
| ページ番号 | 挿入する(フッター中央か外側)。順番確認の保険になります |
※紙の端まで色を敷く(フチなしの)デザインページがある場合は、塗り足しが必要です。Wordは塗り足しの設定が苦手なので、該当ページがある場合は「フチなしにしたいページがある」と入稿時にお知らせください。対処法をご案内します。
手順2:ページ数は「綴じ方の倍数ルール」に合わせる
冊子はページ数に決まりがあります。中綴じ(針金で留める薄い冊子)は4の倍数、無線綴じ(背を糊で固める本の形)は2の倍数(偶数)です。原稿が中途半端な場合は、目次・あいさつ・奥付・メモページなどで調整します。詳しくは冊子印刷の全体ガイドをどうぞ。
関連記事
→ 冊子印刷のやり方完全ガイド|綴じ方・ページ数・データの作り方
手順3:画像の「自動圧縮」を止める
Wordは初期設定のままだと、貼り付けた写真を勝手に圧縮して画質を落とします。画面ではきれいでも、印刷すると写真がガビガビになる最大の原因です。ファイル→オプション→詳細設定の「イメージのサイズと画質」で、「ファイル内のイメージを圧縮しない」にチェックを入れてから写真を貼り込んでください。
この設定とPDF書き出しの詳しい手順(無料のCubePDFを使った高画質化を含む)は、当社でいちばん読まれている解説記事にまとまっています。
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→ Wordチラシが「ぼやける」を3分で解決|高画質PDF作成術【無料CubePDF対応】
手順4:PDFに書き出して、1つのファイルにまとめる
- 📌 入稿形式はPDF。Wordファイル(.docx)のままだと、開く環境によってフォントや改行が変わってしまいます
- 📌 表紙も本文も、1ページ目から最終ページまで順番どおりに。ファイルが分かれる場合は「表紙.pdf」「本文.pdf」のように名前で明確に
- 📌 書き出したPDFを1ページずつめくって最終確認。ページの抜け・順番違い・写真のズレはこの段階で見つけるのが最も安上がりです
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印刷は1冊から。校正もスマホで
データができたら、当社の通販サイトkodawari.lifeで中綴じ・無線綴じとも1冊からご注文いただけます。まず1冊だけ刷って仕上がりを確かめる、という使い方もおすすめです。
また、ページ数の多い冊子で怖いのが校正の見落とし。当社ではスマホでも確認できるオンライン校正と、修正前後のデータを機械的に突き合わせる「新旧比較校正」で、「直したつもりが直っていなかった」を防ぐお手伝いをしています。校正に不安がある方こそ、お気軽にご相談ください。
Word冊子づくりのよくあるご質問
Wordは冊子づくりの立派な戦力です。自宅なら「本の設定と短辺綴じ」、印刷会社なら「単ページ・順番どおり・画像圧縮オフ」。これさえ守れば、あとは中身に集中してください。印刷と製本は、私たちの仕事です。
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