「Wordで作ったチラシ、印刷したら画像がボケた…」
その悩み、PDFの作り方で解決できます。
会社案内やイベントのチラシなど、使い慣れたWordやExcelで原稿を作る方は多いと思います。
しかし、いざ印刷会社に入稿して仕上がりを見てみると……
「あれ? 写真がガビガビに粗くなっている?」
「画面で見た色と全然違う!」
こんな失敗、ありませんか?
実はそれ、Word標準の「PDF保存機能」が、勝手に画像を圧縮(劣化)させているのが原因かもしれません。
今日は、印刷のプロも推奨する「本当にキレイなPDFデータの作り方」を伝授します。
■ まずは基本設定:「画像の圧縮」を止める
どの方法でPDFを作るにしても、まずはこの設定が必須です。
WordやExcelは、ファイルサイズを軽くするために、貼り付けた画像を勝手に小さく(低画質に)する設定がデフォルトになっています。
まずはこれを解除しましょう。
- Wordのメニューから「ファイル」>「オプション」を開く。
- 「詳細設定」>「イメージのサイズと画質」の項目を探す。
- 「ファイル内の画像を圧縮しない」にチェックを入れる。
これで、高画質の写真を貼り付けても、勝手に劣化することはなくなります。
(※ただし、ファイルサイズは重くなりますのでご注意ください)
■ 方法1:Wordの標準機能で「PDF保存」する(一番カンタン!)
最近のWordやExcelは進化しており、ソフトの標準機能でも、設定さえ間違わなければ十分にキレイなPDFが作れます。
「新しいソフトを入れるのは面倒」という方は、まずこちらを試してみてください。
- メニューの「ファイル」>「名前を付けて保存」を選ぶ。
- ファイルの種類プルダウンから「PDF (*.pdf)」を選ぶ。
- 【重要】最適化の項目で「標準(オンライン発行および印刷)」が選ばれていることを確認して保存ボタンを押す。
※ここで「最小サイズ(オンライン発行)」を選んでしまうと、画像が粗くなってしまうので絶対に選ばないでください!
■ 方法2:無料ソフト「CubePDF」を使う(より確実!)
方法1でもうまくいかない場合や、より印刷に適した高画質(高解像度)なデータを作りたい場合は、無料のPDF変換ソフト「CubePDF」の使用をおすすめします。
まるでプリンターで紙に印刷するような感覚で、プロ仕様の高品質なPDFファイルを作成できる優れものです。
ステップ1:インストール
公式サイトからCubePDF(無料)をダウンロードしてインストールしてください。
日本製のソフトなので安心です。
ステップ2:印刷(変換)の設定
WordやExcelの画面で、いつものように「印刷」ボタンを押します。
この時、プリンターの選択肢から「CubePDF」を選んで「印刷」をクリックします。
ステップ3:詳細設定(ここが重要!)
設定画面が開きますので、以下の2点を変更してください。
- ✅ 解像度
通常は「72dpi」などになっていますが、これを手動で「350dpi」(カラーの場合)または「600dpi」(モノクロの場合)に変更します。 - ✅ 画像の圧縮
「PDFファイル中の画像をJPEG形式で圧縮する」のチェックを外します。
あとは「変換」ボタンを押せば、印刷会社もニッコリの「高解像度PDF」の完成です!
■ データ作成に関する Q&A
文字(フォント)が別の形に変わってしまったのですが?
ご使用のフォントが「埋め込み」に対応していない可能性があります。
特殊なフリーフォントなどは避け、「MSゴシック」や「游ゴシック」などの標準的なフォントを使うか、PDF変換時に「フォントを埋め込む」設定になっているかをご確認ください。
端っこが白く切れてしまうのはなぜ?
Wordなどで作るデータには、通常「塗り足し(断ち落とし)」がありません。
そのため、紙のフチまで色があるデザインでも、印刷時は周囲に5mm程度の「白フチ」が出ることが一般的です。フチなし印刷をご希望の場合は、専門的なデータ調整が必要ですのでご相談ください。
PDFじゃなくてWordのまま入稿しちゃダメ?
ダメではありませんが、レイアウト崩れのリスクが高いです。
お客様のPCと印刷工場のPCでは環境が違うため、行間がズレたり文字が消えたりすることがあります。やはりPDFに変換していただくのが一番安全です。
「せっかく作ったのに、仕上がりが残念……」とならないために。
ひと手間の設定で、印刷物のクオリティは劇的に変わります。
もし「設定が難しくてよく分からない!」という場合は、元のWordデータをそのままお送りください。
シンセイ印刷のスタッフが、プロの技術で最適な印刷データに変換・調整いたします(※データ修正費がかかる場合があります)。